>
>
感染症の指針

感染症の指針

 

平成18年4月1日
特別養護老人ホーム沓掛寮
感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針
 
1.総則
特別養護老人ホーム沓掛寮(以下「施設」という)は、生活者及び利用者(以下「生活者」という)の使用する食器及びその他の設備または飲用に供する水について、衛生管理に努め、衛生上必要な措置を講ずるとともに、医薬品及び医療用具の管理を適正に行い、施設において感染症が発生し、またはまん延しないように必要な措置を講ずるための体制を整備することを目的に、感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための指針を定め、生活者の安全確保を図ることとする。
 
2.体制
(1)感染対策委員会の設置
ア 目的
施設内の感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための対策を検討する「感染対策委員会」を設置する。
イ 感染症対策委員会の構成
感染症対策委員会は、次に掲げる者で構成する。
① 施設長
② 副施設長
③ 看護職員 ※感染対策担当者
④ 介護職員
⑤ 管理栄養士
⑥ 介護支援専門員
⑦ 生活相談員
※ 感染対策担当者
施設長は看護職員の中から1名の専任の感染対策担当者を指名する。
感染対策担当者は、施設内の感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための具体的な原案を作成し、感染症対策委員会に提案する。
なお、感染対策担当者は看護業務との兼務を可とする。
ウ 感染症対策委員会の業務
感染症対策委員会は、委員長の召集により感染症対策委員会を定例開催(月1回)のほか、必要に応じて開催し、「感染症及び食中毒の予防」と「感染症発生時の対応」のほか、次に掲げる事項について審議する。
① 施設内感染対策の立案
② 指針・マニュアル等の作成
③ 施設内感染対策に関する、職員への研修の企画及び実施
④ 新生活者の感染症の既往の把握
⑤ 生活者・職員の健康状態の把握
⑥ 感染症発生時の対応と報告
⑦ 各部署での感染対策実施状況の把握と評価
(2)職員研修の実施
施設の職員に対し、感染対策の基礎的内容等の適切な知識を普及・啓発するとともに、衛生管理の徹底や衛生的なケアの励行を目的とした「感染症及び食中毒の予防及びまん延の防止のための研修」を感染対策委員会の企画により、以下の通り実施する。
ア 新規採用者に対する研修
新規採用時に、感染対策の基礎に関する教育を行う。
イ 定期的研修
感染対策に関する定期的な研修を年2回(2回以上)実施する。
ウ 委託業者を対象とした研修
調理等の業務委託を受けて実施する者について、感染対策研修を実施する。
 
3.平常時の衛生管理
(1)施設内の衛生管理
環境の整備、排泄物の処理、血液・体液の処理等について、次の通り定める。
ア 環境の整備
施設内の環境の清潔を保つため、以下の事項について徹底する。
① 整理整頓を心がけ、こまめに清掃を行うこと。
② 使用した雑巾やモップは、こまめに洗浄、乾燥すること。
③ 床に目視しうる血液、分泌物、排泄物などが付着しているときは、手袋を着用し、0.5%の次亜塩素酸ナトリウム(ハイター等)で清拭後、湿式清掃して乾燥させること。
④ 浴槽のお湯の交換、浴槽の清掃・消毒などはこまめに行うこと。
イ 排泄物の処理
排泄物の処理については、処理後は十分な手洗いや手指の消毒を行うこと。
ウ 血液・体液の処理
職員への感染を防ぐため、生活者の血液など体液の取り扱いについては、細心の注意を払うこと。
(2)日常のケアにかかる感染対策
ア 標準的な予防策
標準的な予防策(standard precautions)として、重要項目と徹底すべき具体的な対策については、以下の通りとする。
 
 


 

<重要項目>
(ア) 適切な手洗い
(イ) 適切な防護用具の使用
(ウ) 感染者(生活者)ケアに使用した機材などの取扱い
・ 鋭利な器具の取り扱い
・ 廃棄物の取り扱い
・ 周囲環境対策
(エ) 血液媒介病原対策
(オ) 感染者(生活者)配置
 
   ※具体的な対策としては、『高齢者介護施設における感染対策マニュアル』等を参考に行う。
イ 手洗いについて
     手洗い :汚れがあるときは、普通の石けんと流水で手指を洗浄すること
② 手指消毒:感染している生活者や、感染しやすい状態にある生活者のケアをするときは、洗浄消毒薬、擦式消毒薬で洗うこと
それぞれの具体的方法について、以下のとおりとする。
(ア) 流水による手洗い
排泄物等の汚染が考えられる場合には、流水による手洗いを行う。
手洗いの方法は『高齢者介護施設における感染対策マニュアル』を参考に行う。
<禁止すべき手洗い方法>
① ベースン法(浸漬法、溜まり水)
② 共同使用する布タオル
(イ) 手指消毒
手指消毒には下表のとおりの方法があるが、施設ではスクラブ法及びラビング法を用いることとする。

消毒法
方法
洗浄法(スクラブ法)
消毒薬を約3ml手に取りよく泡立てながら洗浄する(30秒以上)。さらに流水で洗い、パーパータオルでふき取る。
擦式法(ラビング法)
アルコール含有消毒薬を約3ml、手に取りよく擦り込み、(30秒以上)乾かす。
擦式法(ラビング方)
ゲル・ジェルによるもの
アルコール含有のゲル・ジェル消毒薬を、約2ml手に取り、よく擦り込み、(30秒以上)乾かす。
清拭法(ワイピング法)
アルコール含浸綿で拭き取る。

※ ラビング法は、手が汚れているときには無効であり、石けんと流水で洗った後に行うこと。
ウ 日常の観察
(ア)介護職員は、異常の兆候をできるだけ早く発見するために、生活者の体の動きや声の調子・大きさ、食欲などについて日常から注意して観察し、以下に掲げる生活者の健康状態の異常症状を発見したら、すぐに、看護職員や医師に知らせること。
(イ)医師・看護職員は、栄養摂取や服薬、排泄状況なども含めて全体的なアセスメントをした上で、病気の状態を把握し、状況に応じた適切な対応をとること。
<注意すべき症状>

主な症状
要注意のサイン
発熱
・ぐったりしている、意識がはっきりしない、呼吸がおかしいなど全身状態が悪い
・発熱以外に、嘔吐や下痢などの症状が激しい
嘔吐
・発熱、腹痛、下痢もあり、便に血が混じることもある。
・発熱し、体に赤い発疹も出ている。 
・発熱し、意識がはっきりしていない。
下痢
・便に血が混じっている。
・尿が少ない、口が渇いている。
咳、咽頭痛・鼻水
・熱があり、たんのからんだ咳がひどい。
発疹(皮膚の異常)
・牡蠣殻状の厚い鱗屑が、体幹、四肢の関節の外側、骨の突出した部分など、圧迫や摩擦が起こりやすいところに多く見られる。非常に強いかゆみがある場合も、まったくかゆみを伴わない場合もある。

 
4.感染症発生時の対応
(1)感染症の発生状況の把握
感染症や食中毒が発生した場合や、それが疑われる状況が生じた場合には、以下の手順に従って報告すること。
ア 職員が生活者の健康管理上、感染症や、食中毒を疑ったときは、速やかに生活者と職員の症状の有無(発生した日時、階及び居室ごとにまとめる)について看護職員に報告すること。
イ 看護職員は、感染症の発生について職員から報告を受けた場合、施設内の職員に必要な指示を行うとともに、施設長へ報告する。
ウ 施設長は、地域保健所等に報告するとともに、関係機関と連携をとること。
(2)感染拡大の防止
職員は感染症若しくは食中毒が発生したとき、またはそれが疑われる状況が生じたときは、拡大を防止するため速やかに以下の事項に従って対応すること。
ア 介護職員
(ア)発生時は、手洗いや排泄物・嘔吐物の適切な処理を徹底し、職員を媒介して感染を拡大させることのないよう、特に注意を払うこと。
(イ)医師や看護職員の指示を仰ぎ、必要に応じて施設内の消毒を行うこと。
(ウ)医師や看護職員の指示に基づき、必要に応じて感染した生活者の隔離などを行うこと。
(エ)別に定めるマニュアルに従い、個別の感染対策を実施すること。
イ 医師及び看護職員
(ア)感染症若しくは食中毒が発生したとき、またはそれが疑われる状況が生じたときは、被害を最小限とするために、職員の適切な指示を出し、速やかに対応すること。
(イ)感染症の病原体で汚染された機械・器具・環境の消毒・減菌は、適切かつ迅速に行い、汚染拡散を防止すること。
(ウ)消毒薬は、対象病原体を考慮した適切な消毒薬を選択すること。
ウ 施設長
協力病院や保健所に相談し、技術的な応援を依頼及び指示をうけること。
(3)関係機関との連携
感染症若しくは食中毒が発生した場合は、以下の関係機関に報告して対応を相談し、指示を仰ぐなど、緊密に連携をとること。
・ 施設配置医師(嘱託医)、協力機関の医師
・ 保健所
・ 行政
また、必要に応じて次のような情報提供も行うこと。
・ 職員への周知
・ 家族への情報提供と状況の説明
(4)医療処置
医師は、感染症若しくは食中毒の発生、またはそれが疑われる状況の発生について報告を受けた際には、感染者の重篤化を防ぐため、症状に応じた医療処置をすみやかに行うとともに、職員に対して必要な指示を出すこと。
(5)行政への報告
ア 市町村等の担当部局への報告
施設長は、市町村指定様式を使用し、迅速に市町村等の担当部局に報告するとともに、地域保健所にも対応を相談すること。
<報告する内容>
① 感染症または食中毒が疑われる生活者の人数
② 感染症または食中毒が疑われる症状
③ 上記の生活者への対応や施設における対応状況等
イ 地域保健所への届出
医師が、感染症法、結核予防法または食品衛生法の届出基準に該当する患者またはその疑いのある者を診断した場合には、これらの報告に基づき地域保健所等への届出を行う必要がある。
 
5.その他
(1)入所予定者の感染症について
施設は、一定の場合を除き、入所予定者が感染症や既往であっても、原則としてそれを理由にサービス提供を拒否しないこととする。
(2)短期入所事業について
    感染症または食中毒が発生した場合は、利用者及び家族へ説明し可能な限り利用抑制または利用中止し、感染拡大の防止を行う。
(3)指針等の見直し
本指針及び感染症対策に関するマニュアル類等は感染対策委員会において定期的に見直し、必要に応じて改正するものとする。